ユトレヒト州

Waterliniemuseum Fort bij Vechten(ウオーターライン博物館)

Waterliniemuseum (ウォーターライン博物館)

webサイト:https://waterliniemuseum.nl/

住所:parkeerplaats Fort Vechten, Achterdijk 12, 3981 HB Bunnik

ミュージアムカード:使用可

入場料:0~4歳  無料
    5~12歳  6ユーロ
    13歳以上 9.5ユーロ

訪問日:2020年10月

見どころ

1.世界遺産になっているオランダの防衛線について学べる!

2.実際の砦内にあるミュージアム。敷地内でもたくさん遊べる!

3.ブランコ一体型のVR体験が楽しい!

 オランダの世界遺産と言えば、風車のキンデルダイクやアムステルダムの環状運河が有名ですね。でも実はお住いのすぐ近くにもあるかもしれない世界遺産が「オランダの水防衛線」です。

 これは、敵の進入時にわざと堤防を切って街を少しだけ水没させ、侵入を足止めするために設置された要塞と堤防。もともと1996年に「アムステルダムの防衛線」として世界遺産に登録されていましたが、2021年に範囲が広がりNieuwe Hollandse Waterlinieというエリアも含まれるようになりました。アムステルダムの防衛線は、まさにアムステルダムをぐるっと囲むように設置され、私の住むAmstelveen近くにも、AalsmeerやUithoornに砦が残っています。(※アムステルダム防衛線の砦一覧マップはこちら。)

 このミュージアムは、Nieuwe Hollandse Waterlinieの一部である、フェクテン砦に作られた施設。ユトレヒト中心地のすぐ近くにあり、要塞設備がそのまま利用されています。砦全体が緑に覆われ、遊具などもあり、外で遊ぶのも楽しいところです。エスケープゲームや結婚式など、イベント会場としても活用されています。

水に囲まれた砦なので、つり橋を渡って行きます。
砦の施設がそのままミュージアムになっています。
敷地内にはこういう丘になっているところも。結構広いので、探検気分です。

 展示エリアでは、オランダの水防衛線についての展示と、この周辺に残るローマ時代の遺跡について紹介されています。水防衛線がどのような役割をしていたか、ゲームを通じて体験できます。しかし、街を守るためとはいえ、わざと水没させて歩兵や戦車の侵入を防ぐとはすごい作戦ですね・・・。でも防衛線ができた1920年頃には飛行機が発達し、空からの攻撃が可能になったため実際に使われることはなかったそうです。それでも第二次世界大戦も終了した後の1963年まで、いつでも使用できるように整備が続けられていました。

水防衛線のしくみについて
蛇口をひねって水を流し、敵の侵入をどう止めるかというゲーム。

 展示の中で特におもしろかったのが、ブランコに乗って体験するVR映像。空からオランダの防衛線を見るという内容で、まるで鳥になっているよう。映像に合わせてブランコが動くので、本当に飛んでいるような感じで楽しめました。また夏休みなどは、子供に人気のコンテンツに合わせた企画展や特別体験コーナーなども作られます。

VRブランコ。映像に合わせてブランコが上下したり傾いたりしますが、怖い感じではありません。安全のためベルトはつけますが、幼児さんでも楽しめました。
この夏の企画展は、オランダの子どもに人気の本シリーズがテーマでした。
お話に出てきたアイテムを実際に形にしたものなど。

 普段Googleマップを見ていると、水に囲まれた楕円形のちょっと不自然な形の土地が気になっていました。これが世界遺産の一部だったなんて・・・とびっくり。また、戦いという悲しい歴史の産物ですが、これも水を活かしたオランダの人々の生きるための知恵や工夫のひとつなんですね。

 展示自体はそれほど広くはありませんが、砦の中での外遊びも楽しめました!おやつやお弁当を持ってのんびり過ごすのもいいかもしれませんね。また近くにはローマ時代の遺跡跡などもあります。この辺りは2000年前、ローマ帝国がオランダまで範囲を広げていた時代の北端だったようです。